グッズになったりして,よく目にするエルマー。名前もよく知っていたけど,絵本は初めて読みました。
カラフルで,「ありえないでしょ」と思わせるゾウだけに,内容も突飛もないような展開なのかと思っていましたが,ジーンとしてしまいました。「他人とは違う自分」「集団の中での自分」「持って産まれた本物の個性」「アイデンティティ」というようなことを考えさせられます。
エルマーが,必死に木の実を体に塗りつけるシーンは切なくて,「自分を偽らなくてもいいんだよ」って言ってあげたくなります。
カラフルなエルマーが動物達の前を歩くと「エルマー」と呼びかけられるのに,普通のゾウ色に変身してからのエルマーが歩くと「ぞうさん」と呼びかけられる対比も見事でした。
5歳の息子も最初から最後まで,笑ったり・エルマーを探したり・しんみりしたりしながらじっと聞いていました。今後何度も何度もリクエストされる本になると思います。これからもっと大きくなって「自分というもの」に思い悩む日が来た時には,ぜひ思い出して欲しい一冊です。そして,エルマーのように強く明るく周囲の人々とかかわっていってくれたら,と願わずにはいられません。