お豆腐屋の娘・ゆみこと、きつねの女の子の交流を描いた
とてもかわいらしい物語です。
安房直子さんのお話は、
読み手に少女の心を思いださせてくれ、
とてもやさしく美しくかわいいのが、たまらないですね。
きつねの子が木の葉でおままごと道具を作るところや
ゆみこが、その道具に魅せられて、
相手がキツネだということもそっちのけで
「いれて」と声をかけ
いっしょにお母さんごっこが始まるところとか
本当にかわいいです。
ゆみこが豆腐屋の娘だというところも、実は伏線で、
きつねの好物・油揚げが登場し
また
店の油揚げを失敬してきたお母さん狐が
ゆみこの指に赤い花でマニュキュアを施して
ちょっとした口止めをしてしまうところも
かわいく美しいファンタジーだと思います。
やさしさに包まれるような読後感が、たまりません。