とてもいいお話なのに、ちょっと気になるところが見受けられました。
このおじさんはどうして、いじめられるのでしょうか。
被害妄想のような気もしたのです。
「わしはこんなに親切なのに,」という部分で、その印象を深めました。
親切ということを意識している時点で、自意識が強すぎるような気がしました。
大きな犬と友だちになれて、少しおじさんの心も和らいだようですが、そこに女の子が加わったら、友だちの犬を取られてしまったような気持ちにもなりました。
これほどにおじさんのは、内向的なのです。
その気持ちを開いてくれたのは、その女の子であり、大きな犬でした。
最後のシーンは、読者への課題です。
「ひとりぼっちのおじさんは、もう、ひとりぼっちではありませんでした。」で結ばれたこの絵本。
おじさんの生活は、これからどの様に変化していくのでしょう。
いじめが無くなっていくことを祈ります。