1966年刊行。雪の日に、ぐりとぐらの家に訪ねてきたお客様は、意外な方だった。
不思議な足跡をたどって、お客さんの正体がわかるまで、あれこれ考えて楽しめる絵本。お客さんは、勝手にぐりとぐらの家に上がり込み、雪でぬれた手袋などを暖炉で乾かし、勝手に台所でカステラを焼いていたりして、やりたい放題。
だけど、他人の家に上がり込むのに慣れている上、家に来ると喜ばれている。不思議な存在。
お客さんが帰った後に、カステラの匂いを嗅ぎつけて、友達の動物たちが勝手にやってきて、めいめいに思い思いに過ごしている。まるでみんなが自由に使える公共スペースのような、ぐりとぐらの自宅。
この兄弟の周りにはいつもお友達が集まってきて、にぎやかだ。
昔は、近所のおじさんやおばさんが、連絡もせずに家にやってきて、長いことお茶を飲みながらおしゃべりを楽しんでいた。
そんな時代を思い出させる、ほっこりと温かいお話。
こういう風に、誰でもおしゃべりが気軽に楽しめるようだったらいいのにな。