狩りの名人の若者と、バッファローの娘の恋という、不思議な関係が心に響くまでに昇華された物語です。
自分たちの命を奪う者に畏敬を持つ殺される者たちの関係は、どこかアイヌの世界の神という存在に近いものを感じました。
人間の姿になった牝のバッファローは、若者と結ばれ息子まで産まれます。
でも、若者の周りの人間たちは、野生の匂いを忌み嫌い、バッファローの娘とその子どもを追い出してしまうのです。
あくまで娘と子を思う若者の行動はしんぴてきです。
そして若者はバッファローの世界の人間として化身します。
絵があまりにも美しくて、この物語に説得力を持たれています。
かつてバッファローは、これほどに人間と深い関係だったのですね。