捨て猫カフェから卒業し、一般家庭で暮らしたデブ猫のマル氏が、新入り猫とのトラブルの果てに家出。各地を旅しながら、夏目漱石ゆかりの場所を訪れ、大冒険するお話。
筆者は静岡県から愛媛県に家族で移住をした後、小説家として町に関わる方法を模索しているなか、家で飼っていた猫をみてこの作品のアイデアを思い付いた、という。(あとがきより)
愛媛県には漱石ゆかりの地もあり、いろいろと素敵な場所もたくさんある。マル氏と不思議な旅をしながら、読者は愛媛県の有名な場所や名物などを自然と教えられていく。
地元愛に満ち溢れた作品。
ごろごろしてどんどん太って、家の外には出たことがないデブ猫が、冒険をしながらどんどん成長していく物語。現代人の多くの人が共感できるような気がする。
ここから出て、外の世界を味わって、いろんなことを知ったり体験したい欲求が湧いてくる。しっかりした物語と、横に長い迫力のある画面。ゆっくり自宅で楽しみたい作品。
形は絵本だが、結構文章が多い「小説」。続編あり。