山に住むきつねの子に、街に住むきつねのおじさんから絵葉書が届きました。
海に遊びにおいで、という誘いの葉書でした。
行きたいと返事をすると今度は小包が届いて、中には銀色のコインと数個の木の実、それから手紙が入っていました。
手紙には、バス停のたびに木の実をひとつ食べれば、おじさんの待つバス停に着くのだと書かれていました。
日曜日、きつねの子は、おじさんに会いに行くため、バスに乗りました。
きつねの子の心の変化が、手に取るように分かります。
だから、きつねの子がドキドキしたときは一緒にドキドキし、きつねの子が涙をこぼしそうなときは一緒に涙をこぼしそうになります。
大人の私でもそうなのですから、子どもさんは、よりドキドキして、そして本当に涙をこぼしそうです。
とても素敵な絵本だと思います。