一糸乱れぬ隊列で飛んでいく百羽のツルの群れ。決して楽ではない渡り鳥の旅のドラマです。
隊列の最後を行く小さな子どものツル。病気で疲れ果てて、飛ぶ力を失って落下していきます。
そのツルは助けを求めない。他のみんなの喜びを壊したくなかったから。
それに気づいた99羽は、落下していくツルを追ってみんなで網を作ります。
みんなで子どものツルを助けるのです。
そして、先頭を行くツルが足で子どもツルを支え、何事もなかったように再び隊列を組んで飛んでいきます。
さりげなく飛びすぎていくツルの隊列の物語。
花岡大学さんは「心のつながりを感じて欲しい」と後書きで述べています。
非常に単純化したドラマの中で、伝えたいことがしっかりと絵になっています。
キャンバス地と溶け込むようなツルの絵がとても印象的です。