一人暮らしの母方の祖父の家に、母親と二人暮らすことになった少年の物語です。
背景にある家庭の事情を考えると、とても深い物語には違いありません。
お父さんはどうしたのでしょう。
どうしておじいちゃんと暮らすことになったのでしょう。
本当ならば、それがこの絵本の核心に違いありません。
少年の心は、決して自分の境遇を受けとめることができてはいないことも理解できます。
その少年が、庭に飛んでくる鳥に自分をなぞらえて次第に解放されて行きます。
祖父が作った鳥のエサ場に、ヒヨドリが飛んで来ることで、少年は今の自分を受けとめることができたのです。
石川えりこさんの、視点と思いが凝縮されていました。