おなかをすかしたみんなの前に、りんごが1つ落ちていた。たった1つ。
ところが、さるがそれを取って逃げたものだから、みんなはかんかん。
さるは逃げて逃げて逃げて、逃げまくったけれど、たどりついた先は行き止まり。
でもね、さるを追い詰めた動物たちの目に映ったのは、りんごと一緒にうでの中にいたさるの赤ちゃん。
おさるは、りんごを差し出すんだけど、みんなは、それを受け取らずに帰っていくんです。
動物達の怒った顔、困った顔、ん?って顔、いろんな表情がとってもよく表現されてるなぁと思う絵本です。
一番いいのは、いきどまりで、赤ちゃんを腕に抱いたさるの、なんともいえない顔。
この絵本、文章は少ないけれど、なかなか余韻の残る傑作です。