教科書に採用された作品が入っているということで、読んでみました。
空色のぴかぴかのタクシーの運転手さんが、さまざまなお客を
乗せた時の不思議なお話が幾つか集まり、1冊の本になっています。
運転手さんの名前は「松井五郎」。本当にいそうなシンプルな名前に
思わず笑ってしまいましたが、読み進めるうちに不思議な世界感が
繰り広げられ、ついつい読みふけってしまいました。
松井さんは特別な能力を持っているわけではありません。
そんな彼が体験する様々な出来事は、なんだか本当にありそうな、
なさそうな、身近なことが題材になっているだけに、ドキドキ・
ワクワクさせてくれ、とても想像をかき立てられる一冊です。
実はこの本、私が読もうと部屋に置いていたところ、いつの間にか
息子が読み始めていて、「これ、面白い!」とシリーズの3冊を
ほんの2日ほどで一気読みしていました。
ここのところ漫画しか読まない息子に正直どうしたものかと思って
いたのですが、本当に良い作品に巡り会えば、こんなふうに童話でも
夢中になって読んでくれるものなんですね。
心底、あまんさんの作品はすごい!と思わずにいられませんでした。
タクシーの運転手松井さんを通して、動物の気持ちや虫の声が
聞こえてきたり、松井さんの人柄を通して心温まるほんわかした
気持ちを味わえたりするのが、この本の魅力なのではと思います。
我が家では「もりたろうさんのじどうしゃ」シリーズでお馴染みの、
北田卓史さんが絵を担当されているのも息子には入りやすかったのかも。
この作品は、あまんさんの最初の童話集なんだそうです。
是非、シリーズを読破したいと思います。