数年前には読もうとしなかったくせに、中一になった息子が何が気に入ったんだか1巻から6巻までを一気に読破してしまった。
小2のころから少年野球で先輩に可愛がってもらいピッチャーになったのに、肘を痛めてさぼり癖、練習嫌いだった息子。
中一でソフトテニスを始めた練習嫌いの息子が、バッテリーを読みながらランニングを続けるようになった。
何が息子にそうさせるのか、この「バッテリー」にヒントがあるのだかそれはわからない。
自分から「バッテリー」に執着したことだけが事実。
この本は野球の物語であり、映画にもなったから人気のある作品であることは間違いない。
私が読んで感じたのは、主人公匠のこころの頑なさである。友達づきあいの中に柔軟性が乏しいように思ったりもした。
息苦しくはないの?
要は自分が文学系なのである。
すべてが青春だ、成長過程と思えば理屈はいらない。
よく考えれば、多少の難はあれ健康的ではないか。
この絵本の根底は体育会系であり、人間関係や様々な所に硬派の男世界が現れる。
作者が女性であるところが、作品表現でのすごさである。
とはいえ、この本を自ら選んで実践の中に組み入れている息子の成長を感じたのも事実。
何に感動したのだか、あさのさんの著作を次々読んでいるようである。(私の絵本選びと共通しているところが親子かもしれない)。
本は与えるものではなく、子供の選んだ本に息子の成長を教わるものでもあるようだ。
「バッテリー」を読んで、「面白いよ」と私に勧めてくれる息子を大事にせねばと思う。