大好きなもの、とても大好きで、大切で、いつもそばにあるもの、あって当たり前だったものが、目の前から急に消えてしまう・・・。そんな体験が大人になった今でもあります。たとえば、毎日飲むコーヒーカップをふとした拍子で割ってしまったり・・・・。そんなとき、この絵本を思い出します。
帽子をなくした女の子は、悲しかったろうな・・。
新しいカップを出してきて、コーヒーをいれてみても、なんだかしっくり来ない気持ちは、女の子の新しい帽子をもらってもなんだか自分のものじゃない気がする感じに似ているのかな…って。
大人になると、諦めという気持ちも覚えてしまいますが、諦めではなく、受け入れるというそこに、愛を感じる絵本です。
物を大切に思う気持ち、周りの人の優しさや、主人公の気持ちの変化が美しく描かれた1冊だと思います。
大人にも、子どもにもお勧めです。