花子は、ピアノの先生から新しい曲がうまく弾けるようにと、ポップコーンの材料のとうもろこしをもらいます。それをもって公園に行った花子は、カメリアと名乗る不思議な少女に出会います。現実とファンタジーが入り混じったお話です。
花子という名前でなくてハンナという名前に憧れる花子。
花子がハンナになって出会ったのは、空想の産物とでもいえる世界でした。
読み返すと、公園、とうもろこし、あずまや、百葉箱と物語の伏線になる重要な小道具たちがうまく散りばめられているのがわかりました。
子どもの心に内在する願望、今よりもかわいい自分になりたいなどが、現実とファンタジーで融合されている、うまいお話だと思います。
このお話に出てくるお気に入りのお話「わたしのおふねマギーB」というお話を読んでみたくなりました。
「ポップコーンって、まるで魔法みたいだよね。ポーンッてとびあがったとたん、ぜんぜんちがうものにかわっちゃうんだもの」という亀代の言葉は、「すてきなルーちゃん」の「楽しいきもちになるのは、不可能じゃなかったんだよ、ママ。ちょっとしたくふうをすれば…つまり、すこしばかりかわった見方をするとかさ…」に通じている気がしました。
楽しいことは身近にあるということをたかどの作品は教えてくれる気がします。