子どもの頃「夏の庭」を読んで感動し、こちらの絵本も、長いこと気になっていました。
さすが!という感じで、読んでみた結果は大満足。
近しい存在の死を受け入れられなかったくまが、
それを有りのまま受け入れてくれたやまねこの言葉で、少しずつ再生していく物語です。
くまの暗く沈んだ気持ちを表すかのようなモノトーンの世界が、
やまねこの言葉を聞くうちに小鳥との日々が蘇り、
少しずつ色彩を帯びていく・・・という酒井さんの演出が素晴らしいです。
ただ一点、
命の灯火が消えた後、体はいつまでもそのままではいられませんよね。
そこにほんの少し違和感を覚えましたので、
読み聞かせしたり子どもが自分で読むには、
体はいずれ朽ちていくんだと理解する年になってからがいいのかな、
と個人的には思います。