「きのうはきみがしんでしまうなんて、ぼくは知りもしなかった。
もしもきのうの朝にもどれるなら、ぼくはなにもいらないよ」
半年前、家族として13年いっしょに暮らした愛犬が、突然天国へと旅立ちました。明日もまた今日と同じ朝が来ると信じていたのに・・・。愛犬のいない朝は、きのうまでとはまるで違って見えました。
娘が、
「〇〇(愛犬)の魂が入れるおうちがほしいから、ぬいぐるみを作って」
と言うので、娘のために愛犬そっくりのぬいぐるみを作りました。
娘は、以来、くまくんがずっと小鳥を入れた木箱を持ち歩いていたように、どこへ行くにも、何をするにも、ぬいぐるみといっしょでした。
そして、くまくんが、
「ぼくもうめそめそしないよ だって ぼくとことりはずっとずっと友だちなんだ」と、一歩前に歩き始めたように、娘もまた、
「つらかったけれど、今は、〇〇がいつもいっしょにいてくれるから、さみしくないよ。
それに、〇〇から、獣医さんになるっていう希望を与えてもらって、輝きに変えてもらったから。」と、言っています。
私は未だに、心の中で「木箱」を持ち歩いているのかな? 時々、そのふたを開けて、涙しているのかな?と、この絵本を読んで思いました。