お月さまってどんな味なんだろう?
あまいのかな、しょっぱいのかな?
お月さまを見ていた動物たちは、いつもそう思っていました。
あるとき、ついにカメが山の頂上に、お月さまをかじりに向かいます。
カメだけでは届かず、ゾウやキリンや、色々な動物たちが協力します。
お月さまも面白がって、どんどん空高くにのぼりますから、
やっぱり届きません。
ついに最後はネズミがお月さまをかじることに成功します。
こう書くと、「大きなカブ」のようなワンパターンさを連想するかもしれませんが、
実は違います。
お月さまがかじられたのは、小さいネズミを侮った油断からです。
最後のページに登場する魚の台詞も面白く、
展開は逆に新鮮に感じました。
ところで、動物たちがネズミから分けてもらったお月さまの味の感想ですが、
「みんながそれぞれ、いちばんすきなものの味」だそうです。
私にとっては「ヨーグルト味」であり、
娘にとっては「ひなあられ味」でした。
味を想像して語り合うのも、この絵本の魅力だと思います。