誰もが一度は想像したであろう、「お月さまの味」を見事に表現した絵本です。最後にやっと手が届いたネズミが「パリッ!」とお月様をかじる音、表現力にはびっくりです。本当にお月様をかじったら「パリッ!」という歯ごたえを感じることができるのではないかと錯覚します。お月さまのかけらの味も「みんながそれぞれ、いちばんすきなもののあじ」というのもとてもイマジネーション豊かな表現で私が気に入っているところです。「ゾウがいちばん、すきなもののあじってなんだろう。キリンはやっぱり葉っぱかな?私がかじったらどんなあじがするのだろう」なんて私のほうが想像してしまってわくわくしてしまうのでした。最後のサカナのつぶやくような一言もオチっぽくて大人の微笑を誘います。娘は質感のあるお月さまの絵や動物たちの絵に魅入っていました。