またまた何ともいえない不思議な読後感を期待して、オールズバーグの作品に手を伸ばしてしまいました。
海を見下ろせる高い崖の上に、小さなヨットの残骸。
どんな高波が来ても、乗せることができないであろうそんな場所になぜヨットがあるのでしょう。
ヨットのそばにいた老人が語る伝説とは。
オールスバーグの絵ですので、技術的には素晴らしいのです。
が、抑えられた色調の海・空・雲・夜、どのページをめくっても、その風や空気を感じることができても、私には生気が感じられず、それが逆に不気味さを増して迫ってきます。
期待した通りのもやもや感が残りました。現実なのか、異次元の世界なのか、単なる夢の中の御伽噺なのか…
夏休み中にヨットを眺めながら読む、なんていうのもおつかもしれませんね。