仲良しの「がまくん」と「かえるくん」の短編が5つ、収められています。
温かみのある挿絵も大好きなのですが、二人のせりふのひとつひとつに、お互いを思う愛情がたくさん詰まっていて、素敵です。
ふたりは、時に機嫌を損ねたり、意見が食い違ったりして、すれ違うことがありますが、いつも、「どうして相手はこう感じたのかな?」という視点で、お互いの考えを理解しようとします。相手が弱っているとき、余裕のないとき、決まってもう片方が、歩み寄って手を差し伸べるようなシーンがあります。とても思いやりにあふれていて、子どもたちにもこんな友達関係を築いて欲しい、と思わせてくれます。私自身も、家族に対して、友人に対してこうありたいな、と反省しながら…。
「がまくん」と「かえるくん」は、どちらかが一方的に依存する関係ではなく、どちらもが、頼るときもあれば頼られるときもあり…。とても健全な関係です。これからたくさんの人間関係に悩みながら成長していくであろう子どもたちに、大きくなってもぜひ何度も読んで欲しいと思います。