一匹のいわしの人生劇場ともいえる一冊。日本の海で生まれ、捕獲され、店頭に並び、買われて、食べられて…いわしくんに起こるできごとが、1ページずつシンプルに描かれていて小気味いい作品です。最後に再び、思い通りの生き方が実現できるところなど、生き物の悲しさ、素晴らしさが伝わってきて思わずホロリ。
息子(8歳)は、最後のページに何かを感じるようです。簡潔に表されているからこそ感じるものが強いようで、小学校高学年になる友人の息子さんも、やはり最後のページをじっと見つめていました。
いわしくんの大きな目が、愛くるしく印象的です。