お母さんはいないのかな?
家の中で、ハナは、お父さんと2人きり。
いつも仕事で忙しそうなお父さんと、いつも1人で寂しそうなハナ。
ハナは、ゴリラが大好きなのに、まだ1度も本物のゴリラを見たことがない。
でも、お父さんがくれたおもちゃのゴリラが、ハナを夢のような世界に招待してくれます。
ゴリラって、大きくて黒くって、ごっつい感じで、こわいイメージがあるけれど、こうして、ハナと一緒にいる、やさしくほほえたんだゴリラを見ると、人間と一緒なのね。
そして、最後。仕事、仕事だったお父さんがハナを動物園に誘う。
ハナと同じ赤い服を着たお父さんのやさしそうな横顔に、ほっとします。
ハナはゴリラが大好き。だから、動物園にゴリラを見に行くって言われたら、そりゃぁうれしかったでしょう。
でも、それより何よりも、お父さんが一緒にいってくれる、そのことが1番うれしいんじゃないかな。
この絵本、お話の内容もいいけれど、ページのいたるところに現れるゴリラを探すのも楽しいです。
絵画の中や、ランプ、ポスター、映画の中の自由の女神まで、あらゆるところがゴリラになっていて、ページの隅々まで楽しめます。