こどもの時、チコにはつばさがありませんでした。でも、チコには助けてくれる仲間がいました。ある夏の夜、チコの前に、まほうのとりがあらわれて、チコの願いを聞いてくれました。金色の翼をつけ、仲間のところに行くと、みんなは、チコをおいて、どこかに飛んでいきました。
なんだろうね。チコはチコで変わりはないのに。そして、そのあとのチコの行動には、驚かされます。そして、最後の場面で、チコが口にした言葉が、なかなか理解できなくて、何度も何度も読んでみました。心の奥深さに触れた、難しい内容です。
作者の描く貼り絵の世界は、美しすぎます。次から次に発表される作品の数々は、新しい世界を見せてくれるものばかりです。1999年に亡くなった作者ですが、発表されていない作品が、まだまだ眠っているような気もします。