絵本ではじめて読みました。今の季節にぴったりの話ですが、秋の話というだけでなく、子供の旅立ちの話でもあるのですね。子供たちのそわそわした落ち着きのない不安な会話が切なく感じます。
それに対して母である木は一言も発せず、じっと立っています。思えば、去年も一昨年もこうやって子供たちを送り出してきたのですから、少しは慣れているのかもしれません。
いちょうの実を擬人化した絵は良いのかどうか分かりません(話そのものでも、服を着たり、食べ物を食べたり、擬人化されていますが)。また、すこしばかり幼稚に描き過ぎではないかとも感じました。いちょうの実を連想しにくい絵だからかもしれません。でもそれ以上に木の形が気になりました。いちょうの木はこんなに丸いのでしょうか。もっと背が高い印象があります。そのあたりも実物を連想しにく原因かもしれません。
子供がこれを読むのはいつ頃なのか分かりませんが、時期がきたら一緒に読んでみたいと思いました。