あるところに評判の手品師がいました。
「よーくごらんください。たねも仕掛けもございません」
いえいえ、それは真っ赤なうそです。
手品師の帽子の中には、『たねぼうず』という名前の不思議な力を持った小さな男の子が隠れていたのですから。
ある日、手品師とたねぼうずはひょんなことからケンカをしてしまいます。
「おまえなんかいなくても、わしひとりでできるわい」
その言葉を聞いたたねぼうずは帽子を飛び出して…?
手品師の帽子の中に『たねぼうず』が隠れている、という発想が面白かったです。
言い過ぎたと後悔した手品師は、大慌てであちこち探し回ります。
どのページにもたねぼうずが隠れているので、読んでいるこちらもちょっとした絵探しを楽しめますよ。
今回のことをきっかけにますます絆を強くした、手品師とたねぼうず。
やっぱり手品もチームワークが大切ですよね。
王様の前で見せた手品の場面では、気持ちがぱあっと明るくなりました。