なんといっても特筆すべきは、子供からものすごーく遠い存在である「気難しくて一人暮らしのおじさん」が主人公だということ。そして、なのにおもしろくて引き込まれてしまうお話だということです。
庭と芝生を心から愛し、...というかそれ以外のものに愛情を抱くことさえない変わり者、ルラルさん。でもある日、その庭にワニが現れ、ねそべりながら言うのです、「おっちゃん、ここにねそべってみなよ。きもちいいぜー。ちくちくするのがやめられないぜ」。
子供を対象にしたものである、という前提に存在する絵本に、こともあろうに「おっちゃん」とは!!もうびっくりして、大笑いしてしまいます。そんな型破りなところがこの絵本の魅力です。
なんていうか、第一印象がこわかったりやな感じな人って案外自分のまったく知らなかった価値観を教えてくれたり、いい友達になれたりってこと、よくありますよね。そういう感じをうまく伝えてくれる絵本です。娘もうまく回らない舌で「るらるさん、るらるさん」と一生懸命言って喜んで聞いていました。