見開きページいっぱいに好奇心いっぱいのデイビッドの活躍ぶり(?)が描写され、母親の一言が「だめよ、デイビッド!」。壁に落書き、泥だらけで家の中に入り込み、いたずら食べして、だめって言われているのに部屋の中で野球をして花瓶を割ってしまう…。ぐっちゃぐちゃに散らかった部屋は、典型的な米国の男の子の部屋…。
お話の展開がどうの…というより、これは自分の幼少時代を振り返って描いたと思われる作者の自伝的絵本でしょう。子育て理論では「だめ」という否定表現より「こうしましょう」という肯定表現で子供の心をつかむことが常識とされていますが、現実は…(私の場合)気が付くと「だめでしょー!」なんて言っていることが最近増えたかなと反省。でも、作者が最後のページで示したように、結局、親子が愛情でしっかりつながっていれば、表現の仕方はどうであれ大切なことは伝わるのですよね。この作品を読んで最後に慰められました。理想としては「ダメ!」は使いたくないけれど。その言葉が出ないような余裕のある生活を送りたいものです。
息子には大受けでした。彼の中にもデイビッドが住んでいるからかも知れません。きっと共感できちゃうのでしょうね。