むかしむかし、大むかし。自分勝手で、わがままで、そのうえものすごく強くて恐ろしいきょうりゅうがいました。ティラノザウルスは、毎日やりたい放題、自分勝手に生きていました。
でも、友だちもなく、本当は、ひとりぼっちはさびしかったのです。
そんな時、ひとりぼっちで、岩穴で暮らしているパウパウザウルスと出会いました。
宮西さんの、このシリーズには、いつも泣かされます。恐竜の描き方も、かなり大胆なのですが、その哀愁が、妙に伝わってきます。運命的な出会いで、ティラノザウルスの心が動かされ、大切なことに気づかされます。
恐竜の世界のお話ですが、わたしたちの身近なことに置き換えると、その奥の深さに、改めて涙が止まりませんでした。