写真の力もありますが、谷川さんの詩もやはりすばらしい。どの年代の人に対しても、感じるような詩です。そしてその詩をよんだ人によってまた解釈がことなるような多様性を生んでいるように感じました。どんなひとも、さいしょはみんな、赤ちゃんから始まったんだ、ということが一番の説得力です。色んな悩みもあって悲しみもあるし、無邪気にわらったり、困ったり、そういうふうにして今を生きていることが、今の自分です。題名を遺言としたところに、生きるということの重みを感じました。単なる写真集ではなく、生きていることすべて、訴える力がある。