ヤギから聞いた、なにもかをもまっ白にしてしまう「雪」というもの。
リスは、今度の冬こそは、雪が降ってくるまで起きていようと思います。
ゼバスティアン・メッシェンモーザーの鉛筆画は、白と黒の世界のなか
で、ポイントとなる対象には色を重ねることによって、独自の世界をつくりあげています。
また、むだなものを廃し、しかし必要なところは綿密に描くことで、読者の想像をふくらませることに成功しています。
また、何よりも優れているのは、彼のユーモアのセンスです。
眠たいのを我慢してリスの様子や、途中から雪探しに加わるハリネズミやクマが想像したり見つけたりした「雪」には、思わず微笑んでしまいます。
ほとんど眠ってしまっている彼らのうえから、雪が降ってきます。その場面では、彼らと同じ気もちで雪をながめている自分に気づきます。
大人も子どもも楽しめる絵本だと思います。