子分を人質にとられたゾロリが、金貨を取り戻すために大冒険するお話。
2008年刊行。エコな都市をつくると言いつつも、実態は親族との癒着と利益の独占、的外れな目くらましで市民を騙して私腹を肥やしている行政。それと対決する市民たち。
子ども向けのギャグ漫画とは思えない設定で、泥棒一家ゾロリに大冒険させる作者のセンスが素晴らしい。
「誰も使用しない建物」を4つも作るという、凄まじさが笑える。行政関係に知り合いは皆無だが、世間の目はそんなところだと私も思う。
お話自体は、ハラハラドキドキの楽しい展開だが、
お話の本筋とは関係なさげな背景や、設定などに、作者が声を大にして言いたいことが全面的に描かれている気がした。
大人になると、素直に物語を楽しむよりも、作家の意図を探る面白さに目覚めて、斜めに物事をとらえてしまうなあ。
と言いつつも、面白かった。