絵が白黒で、正直パッとしない・・・そんな印象だったこの絵本。
絵本の中では古典の部類に入る、名作だと知っていなかったら、手に取らなかったかも知れません。
森のなかに散歩に出かけた「ぼく」は、ライオンやぞうなど、出会った動物を次々引き連れて歩きます。
ライオンは自分で髪をとかすし、サルは行列が大好き、クマはジャムやピーナッツを持っていたり・・・
「ハンカチ落とし」など、人間の子どもがするような遊びを一緒にしたり。
かなり現実離れしているのに、まるでそれが当たり前かのように進んでいくお話。
息子はなぜかカンガルーに食いつき、後でカンガルーの写真を見せてあげたら大喜びしていました。
でも、やっぱり夢だったのかな。幻?男の子の空想?
お父さんが探しに来てくれた時には、動物たちは消えてしまっています。
でも、お父さんはそれを「嘘だ」なんて言ったりしない、否定せずに受け入れているんです。
きちんと「遅いから帰らなきゃ」って、親として言うべきことは言っているし。
ステキなお父さんです。
これまで息子(2歳になったばかり)に読んであげた絵本はいろいろありましたが、
気に入って何度も読む本といえば、
色彩鮮やかで、リズミカルな文章で・・・といったいわゆる「赤ちゃん絵本」に近いものが多かったのです。
でも息子は、図書館でいくつか借りてきた本の中から、
しっかりこれを選んで、「読んで」と持ってきました。
読み始めると、けっこう長いお話なのに、ずっと絵を見つめて聞いてくれています。
面白くなければ途中で脱走するだろう、と思ったのに・・・
息子の心の中にも、こんなファンタジーが存在しているのかな。
そのファンタジーを語ってくれるときが来たら、私も笑ったり否定したりせずに、受け止めたいなって思います。