訳を石井 桃子さん、絵を「ぐるんぱのようちえん」の堀内 誠一さんという豪華なコンビによる1976年の作品です。
お話は、おかあさんすずめが、こすずめに飛び方を教えるシーンから始まります。
こすずめは、少し飛べたので、どんどん遠くへと飛んでいってしまいます。
そして、疲れたので、いろいろな鳥の巣で休ませてもらおうとするのですが、仲間でないと断れててしまいます。
その時の鳥達の表情に優しさが感じられません。
飛べなくなって、辺りも暗くなってしまった時は、思わず緊張感が走ってしまいます。
最後の展開は読めてしまうのですが、それでも安堵感があって、何とも言えない読後感に浸れることと思います。
こすずめが一人で冒険して、色々な鳥と繰り返し相対していく様は、子供の心を惹きつけて止まないことでしょう。
また、おかあさんの暖かさ、優しさを認識させられること間違いありません。
堀内さんの包み込むような暖かいタッチの絵が、秀逸だと思います。
特にこずずめがおかあさんの翼の下で眠るシーンは、何度見ても心和むことでしょう