ある日子ぎつねのこんたは、お母さんからおつかいを頼まれます。
おばあちゃんちにおいなりさんを届けるおつかいです。
「赤いバスに乗って、五つ目のバス停で降りるのよ。青いバスに乗ってはだめよ」
お母さんの言いつけを忘れて、青いバスに乗ってしまったこんたは…?
おつかいといえば、子供にとってはちょっとした冒険ですよね。
母親となった今では、「ちゃんと頼んだもの買えるかな」「間違った場所でバスを降りたらどうしよう」なんて、我が子をおつかいに出すのがハラハラドキドキの挑戦だったりしますが(笑)
そんなドキドキ感をうまく表現した一冊だと思います。
お母さん方なら、読んでいるうちにいつの間にかこんたの母親のような気持ちになって「がんばって」と励ましている自分に気づくはず。
もちろん、読んでいる子供達はこんた自身に自分を重ね合わせて、一緒におつかいに出かけているような感覚が味わえるのではないでしょうか。
バスが進むたびどんどん不安が増して、うるうるしてくるこんたの表情もたまりませんが、やっぱりおじいちゃん・おばあちゃんと会えた時の表情が一番最高ですね。