この本は本当の「いただきます。」を教えてくれます。
学校で子どもたちと給食を食べていると、かならず「いただきます。」といいますが、その言葉の意味をちゃんと理解できていません。
これは嫌いだから食べられない。
友達と話に夢中になって間に合わなくて残飯にポイと捨てる。
なんでも混ぜて食べる。
悪気はないのだろうけど、これじゃ食べ物に申し訳ないなと思って、
どうにかして伝えたくて授業参観で紙芝居になっているこの本を読み聞かせました。
この本が伝えてくれるのは、私たちが口にしているものはかけがえのない命であるということ。そして、その命がわたしたちの給食になるまでには、いろいろな人が一生懸命頑張って給食ができているということです。
僕のお父さんは食肉加工センターで牛を殺し肉を作る仕事をしていて、お父さんは自分の仕事が好きではありません。その前に現れた牛のみいちゃんとみいちゃんを大切に育てた女の子…お父さんはやさしくみいちゃんをお肉にします。女の子がみいちゃんの肉を涙を流しながら「おいしかぁ。おいしかぁ。」と食べるところでは子供たち、保護者の方も号泣していました。
子供たちにはとても心に残ったらしく、その次の日から「いただきます。」のあいさつは1日のうちで一番大切な挨拶となり、残飯が全くと言っていいほど無くなりました。なにより、子ども同士が自分で大切に食べようと言い合っていたのにはびっくりしました。この本の素朴な絵がまた、素直な感情を引き出してくれるように思います。
早いうちからぜひ、この本を通して食べることの尊さを教えていただきたいです。日本の「いただきます。」の文化を伝えてほしいです。