私の大好きな角野栄子さんの作品。おばあさんが死んでしまった一人ぼっちのおじいさん。何にもする元気もありません。でも、ある朝、「おばあさんの作ったおだんごスープがのみたいな」と台所に立ち上がりました。一人分だからと小さなお鍋にひき肉をいれて・・おばあさんが歌っていた歌を口ずさみます。「ぐらぐらおゆにおにくのおだんご・・・」スープができたとき、ドアの外で小さな足音がしました。そっとドアを開けると小さなお客様。分け合ってスープを楽しんだ翌朝、おじいさんは少し大きなお鍋でスープを作りはじめます。・・・と、また足音。おじいさんがスープを作るたびに、おじいさんはおばあさんの口ずさんだ歌をだんだん思い出してスープの材料も一つずつ食材が増えていきます。それに、足音もだんだん増えていきます。もちろん、お客様が増えるたびにお鍋の大きさも大きくなっていきます。一人ぼっちで何にもする気のなかったおじいさんがうれしそうにみんなのためにスープ作りをはじめていきます。次のお客様はだれだろう?とか、おじいさんがどの大きさのお鍋を選ぶかな?とか、いつのまにかお話の中で一緒にスープ作りの隣にいるような感じで楽しめます。また、絵もとても優しい感じの心が温かくなる感じの本です。文章もあるので、年長さんからの方がいいかも。