小学2年生の息子に読み聞かせる物語を探していた折に、絵本ナビで「チュウチュウ通り」シリーズを知り、早速「ゴインキョとチーズどろぼう」を手に取ってみました。
最初に感じたのは、本の装丁や構成のおしゃれな点です。想像していたよりも小さい本でしたが、このサイズが手になじんで持ちやすいことに気がつきました。そして表紙を開けると、チュウチュウ通りの街並みが目に飛び込んできます。さらに登場する仲間たちの紹介ページもあって、物語への期待が高まります。
こうして、わくわく感を持って物語へと読み進めていきました。一見シンプルなストーリー構成ですが、様々なネズミたちの登場で子どもを飽きさせません。高齢ネズミをだます詐欺ネズミの話なんて、まるで最近の日本社会のようです。欧米でも同じような問題が多いのだろうかと、親の私は想像しました。
それから、大変読みやすい文章だったのも印象に残りました。もちろん原文のもつ魅力が前提だと思いますが、優れた訳によるところも大きいのだろうと感じました。
また、この本はほとんどのページに挿絵があり、物語と一緒に楽しむことができるようになっています。「ゴインキョってなーに?」、「美味しそうなチーズだね」、「このガードマンは悪い奴かな?」など、自然と息子との会話が増えました。息子は小学2年生で、自分でも随分読めるようになってきましたし、最近では寝る前の読み聞かせも字の多い物語が多くなっていました。けれど、時々は絵を見て会話をしながら、物語を味わう時間もいいものだと絵本の魅力を再確認しました。この「チュウチュウ通りシリーズ」は、そんな親子の時間にぴったりだと思います。