全体的にはなかなか起承転結があって面白いのですが、、、賢いのか、考えるところですね。モリーは、人食い巨人の奥さんに「夫は人食いだから早く帰りなさい」と言われるのに、半ば無理やりパンとミルクをもらって案の定見つかり、1泊までしてしまいます。考えなしのように思えます。
巨人の娘の金の首飾りと自分たちがもらったわらの首飾りを交換するあたりは良いけど、私が読んだ別のバージョンの話だとこれで巨人は間違って娘を殺してしまうですよね。このバージョンは閉じ込められるだけですが。
あとは、王に言われて巨人のところから三度も、剣だの金貨だの指輪だのを盗み出してきます。しかし、奥さんには世話になってるのにめちゃくちゃ恩知らずだと思いませんか?王様も全部一気に言えばいいのに、なんでばらばらで言うんでしょう。
しかも2人のお姉さんはモリーが命がけで盗んだおかげで王子様たちと結婚。3番目の盗みでモリーも末の王子と結婚したのですが、お姉さん達は「賢くない」設定なのに何もしないで王子を手に入れるわけなので、こっちのほうがある意味賢いかも?
ま、モリーも、困ったときに食べ物と寝床を恵んでくれた恩人の奥さんをその夫に袋叩きにさせて、そのおかげで自分は末の王子と結婚してお金と安定を手に入れるという意味では悪賢い「賢さ」はあるのかもしれないですが。
面白いけど、納得いかない絵本でした。恩を与えても礼を期待するなという意味では反面教師になる教訓本でした。