「どうしてお父さんはハゲなの」
この疑問、私も子供の頃、何度も口にしたかったけれど、異常に気にしている父には、口が裂けても聞けなかったなあ・・・。
この絵本の子のように率直に聞いたなら、果たしてどんな答えが返ってきたのであろうか。いや、鉄拳がとんできたかも知れません。
しかし、この父は、実に大らかで素晴らしい。クヨクヨ悩むことなく、自分をありのままに受け止めているではないか。
そして、いずれハゲるであろう息子に対し、立派な答えを与えてくれるのである。
遺伝だけれども、遺伝したのはそれだけではなく、父親の長所と思われるところも、多く受け継がれているのである。人生すてたもんじゃないと思わせてくれる立派な父である。
いずれハゲるであろう息子が、若ハゲになってぐれないように、手元に置いておくのも悪くない本である。