儀間比呂志さんは、沖縄出身の木版画家。
太い線でとてもインパクトのある絵を描かれる方です。
少々暑苦しい感じもするのですが、沖縄に対する愛情、太平洋戦争時に沖縄の置かれた状況への怒り、平和に対する訴えを強く感じさせる作品を作成されています。
この絵本は、母親から生まれた鉄の赤ん坊のカナヒルが、自分をさらった鬼族の悪意をものともせず、最後には鬼を屈服させて受け取った鉄を島に持ち帰って島の人たちを助けたというお話です。
鬼が何なのか、鉄がどのような意味を持つのか、とても印象的です。
カナヒルの描かれ方が強烈で少しとりつきにくい感はありますが、沖縄の自然と人々を版画で描かれていて、とてもインパクトがあります。
もう少し深読みできれば、味わいも出てくることかと思いますが、私にとっては儀間比呂志さんの絵が初めての作品なだけに、次につなぎたいと思います。