5歳の次女が選んだ本です。普段は賑やかな挿絵が好きな娘が、珍しく黒一色で描かれた一見地味な絵本を選んだのには驚きましたが、娘の好きな『はなのすきなうし』を描いたコンビと知って納得。あたたかくも力強いその挿絵に私も魅了されました。
スコットランドの少年ギリスは将来、おかあさんの出身である谷間の村か、おとうさんの出身である山の村、どちらに住むかを決めなければなりません。それぞれの村の生活様式になじもうと、ギリスはがんばります。大声で牛を呼び集める谷間の牛飼いのくらしと、息をこらえてシカをまちぶせする山の狩りのくらしを送るうちに、ギリスの肺はとてつもなく大きく強くなりました。その肺のおかげで、思わぬエンディングが待っています。
おはなしのカギとなる大きな「ピャーッ」という音がとっても気持ちよく、心に鳴り響きました。