イギリスのお話です。
ひいおばあさまが幼い時にもっていた人形とドールハウスが
人形遊びの好きな心優しい姉妹に譲られました。
物語の前半、古い人形以外にこの姉妹の手元にやってきた
ちいさな人形たちの、それぞれの思いなどが丁寧に語られています。
美しく安らげる自分たちの住まいを渇望する人形たちと姉妹。
やがて、運命のようにやってきた古いドールハウスがよみがえって
住人たちは幸せの絶頂にいますが、ある日不幸の象徴のように
遺産である、もう一人の美しい人形がやってきます。
ラストはドールハウスの中での悲劇で終わっています。
愛のために命を投げ出したセルロイドのことりさんと、危険を察知して
鳴き続ける犬のかがりが、印象に残ります。
そして何にも惑わされず真実を見ている妹の純粋な心が印象的です。