遠目だとわかりづらいですが、写真絵本です。
作者は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの事件をきっかけにこの絵本を作成したそうです。
後書きにある作者の言葉が素敵だったので、書いておきますね。
『……ときに悲惨なことも起こるけれど、この世界は生きていく価値のある素敵なところで、救いの手を差し伸べてくれる日がたくさんいるんだと、息子に知ってほしい……。生きてさえいれば、そこに希望もあるのですから。』
きっかけがきっかけだっただけにタイトルが《希望》であるにもかかわらず、最初のページは雨に濡れた窓ガラスをじっと見つめる子どもの姿。なんだか、悲しみを乗り越えるためにじっと踏ん張っている感じがしました。
その次の次のページの写真も印象的で、アジア系の10歳くらいの子どもが涙を流して一点を見つめていました。
さらに4ページ目ではカメラをにらみつけるような3,4歳の男の子の写真。
後書きを読むまで、作者の意図がわからす、「えっつ!?えっつ!?」と思いながらページを進めました。
後書きには、それぞれの写真のモデルや場所、なぜそんな風にとったのかが簡単にコメントしてあり、改めて写真を見直してなるほど…!と、案じることができました。
字はたいしてありません。1枚1枚の写真の中にいろんな想いがつづられています。
こういうのを感じ取るには、小学校高学年以上のお子さんじゃないと難しいかな〜。