港で働くクレーンが鉄のキリン。
そのキリンのじいさんが人さらいから逃げてきた男の子を背に乗せて、男の母親の住む国を目指して海を渡ります。
切なさと思いやりのあふれたファンタジーです。
ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞作とありました。
多分アマチュアのお母さんだからこそ生まれた独創性なのでしょう。
実感違和感を覚える部分があります。
しかしそれを包み込んでしまうものがあります。
海中で身動きの取れなくなってしまった鉄のキリンのじいさん。
それでも満足そうに海の中に立ち続けています。
作者がキリンに寄せる思いが伝わってきました。