絵本を読んで、ここまで泣けたことはなかなかありません。
エンさんが病気のパンダを自転車に乗せて医者に通い、
エンさんが年を取ってからは、パンダがエンさんを医者に連れていく。
それだけの話なのです。
それだけの話で、なぜこんなに泣けるのでしょうか。
エンさんがパンダを思う気持ち、そして、
パンダがエンさんを思う気持ちが、
遠い医者に通うという設定だけで、痛いほど伝わるからです。
最近、映画でも小説でも、泣かせようという意図を感じて興ざめするものに多々出会います。
でも、この本は、感動的な話を書こうとか、
「泣かせよう」という意図を一切感じさせない絵本です。
ちなみに息子は、あんまり関心を示さずでした。
この感情は、子どもにはわかるまい。