私が子供のころ、叔母が「暮らしの手帳」を購読していたので、そのころから藤城さんの絵には興味がありました。大人になってから、きり絵の制作過程を知って驚きました。原画も見たことがありますが、細かさ繊細にびっくりしました。この本でも、レースの繊細さ、葉っぱの細かさ、背景のグラデーションなど、ため息がでるような美しさです。
原作はアンデルセンで、主人公がブドウ酒のびん、というのもファンタジックでいいなと思いました。鳥かごの中、夕日をあびながら海をただようびんを見ていると、びんのつぶやきが聞こえてきそうです。
ゆっくりゆっくりとページをめくって楽しみたい絵本です。