修学旅行の学生に原爆の体験とその恐ろしさ伝えている山野咲子。
あの原爆投下の日に、一緒に学校をさぼって難をのがれた道子。
二人が出会って、咲子の体験は事実ではないと思う道子ですが、話を聞いていくうちに、咲子が多くの友人を失った悲しみと、学校をさぼって助かったという後ろめたさで広島原爆を体験したという先入観にとらわれていることが判ります。
哀しいお話です。
語り継がれなければならない、広島原爆。
長崎さんの平和への思いが突き刺さってきます。
この本の後書きにかえてと、長崎さんの「汽笛」という文が載っています。
これが2008年に『汽笛』という本になっています。
『うそつき咲っぺ』は創作ですが、戦争体験者でなければ書けない話だと思いました。