文/中川ひろたか、絵/村上康成の黄金コンビによる、有名なピーマン村の絵本シリーズの一冊。
物語は、
「おいもは つちのなかで くらしています」
という書き出しで始まります。
擬人化された畑のおいもが、ごはんを食したり、歯を磨いたり、トイレに行ったり、お風呂に入ったりするシーンが続きます。
そして、みんなでトレーニングするのですが、これは何のため?と思いきや、後半でその答えはわかります。
後半で、やっといつもの幼稚園メンバーが登場するのですが、それからおいもとの綱引きの開始です。
そう、おいもがトレーニングしていたのは、幼稚園児との綱引き対策。
おいも掘りというには、ちょっと違うとは思うのですが、これはこれでありかなという楽しい展開です。
何と言っても楽しいのは、最後のおならのシーンでしょう。
子供達の笑いの壺を押さえているとしか思えないエンディングは、納得もの。
他のピーマンシリーズと異なり、幼稚園中心の話ではないのですが、前半、後半との展開の切り替えが絶妙です。
文章、絵、構成全てにわたり、高い水準の作品で、文句なし。
食育や歯磨きのしつけにも役立つ側面もあり、幼稚園前の段階でも充分に楽しめる作品です。
おいも掘りの行事を行う幼稚園も多いと思うので、シーズンに読まれることを特にオススメします。