韓国の絵本。
ヒョンドクがこの作品を発表したのは、実に1939年。
少年朝鮮日報にて発表されたもので、日本の植民地時代に描かれた時代背景を鑑みると、ヒョンドクの文章に託した思いを感じずにはいられませんでした。
その文に、新進絵本作家のチョウミエが絵を描き今回発刊となったものです。
物語は、主人公のノマが、ダンボールで機関車と客車・貨車を作るというのがメインなのですが、小さい頃の記憶が蘇ってくるような作品です。
今よりも、昔の方がダンボールって身近にあったような気がするのです。
何よりも良いのは文章に、チョウミエの絵風がピッタリと合っていること。
日本で言えば、林明子さんのような絵のタッチと言えば良いでしょうか。
見ているだけで、心が穏やかになってきます。
最後の頁の文は
「ノマは ちいさな はつめいかです」
なのですが、ありきたりな風景を描いたことで、逆に親近感を持って読み聞かせできる絵本と言えそうです。
良書として、オススメしたい絵本です。