「卵と小麦粉それからマドレーヌ」の続編と聞いていたので読み始めたら、今回の主人公は菜穂ではなくて菜穂の親友・亜矢でした。
亜矢の両親は離婚していて、小学六年生の時にはいじめられたことがあります。
いじめの経験、時が経ったからといっても心の中からそう簡単に消えるということはないですよね。
読み終わった時に、つい涙ぐんいでしまいましたが、読後感はとてもよくて幸せな気持ちになりました。
親として読むと、自分の子どものことを親だけではなく友人たちが心配したり気にかけたりしてくれること、それが感じられてとてもいいなあと。
石井さんの作品らしく、心理描写がとても丁寧で、亜矢が母の言葉の響きからその時の母の心理状態をとても敏感に感じていることが読みとれました。
主人公は、高校生になっていますが、「卵と小麦粉それからマドレーヌ」の続きとして、中学生からでも読めるのではないかと思いました。
今年は石井睦美さん元年となりそうです。